マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本セクター

小さくされた人々と共に―ペルー

peru弱く小さくされている人々との出会いの中で新たな連帯の輪が生まれた体験を分かちあってくださいました。

 

 

「主なる神はこう言われる。見よ、わたしは自ら自分の群れを探し出し、彼らの世話をする。…主であるわたしが彼らの神となる。」(エゼキエル34:11、24)これからお話しする出来事は、このエゼキエルの言葉を思い起こさせます。

Peru No1ある夜、ジョン・ホセ神父様がミサの後、「一緒に来てください」とおっしゃいました。それで、私たちは神父様のバンに乗り、町の北端にある家に行きました。

バンから降り、建てかけの小屋のような家に入りました。弱いろうそくの光に照らされて、床に人間のような物が、毛布に包まれて置かれているのが目に入りました。火が起こしてある方には女性が床に座り、炭で何かを煮ているようでした。神父様はケチュア語でその女性に語りかけ、食べ物を渡しました。帰り路、神父様は、この女性たちを見つけた次第を話してくださいました。神父様が家庭訪問に行ったところで、その女性たちのことを耳にして、探し出したのだそうです。

Peru No3その翌日、日が昇ると、私たちは再び、彼女たちのところを訪問しました。彼女たちの状況は本当にひどいものでした。ケチュア語から通訳してくれた近所の人の話では、12人兄弟で、そのうち6人の女性が生まれつき脊髄が悪く、そのうち4人が14歳か15歳で足も麻痺しているとのこと、他の2人はまだ子どもということでした。

この現実を目にして、私たちは動き始めました。まず、部屋を掃除して清潔にし、たくさんの穴をビニールでふさぎました。簡易ベッドとマットレスを運び入れ、台所を別の場所に移しました。

看護師が彼女たちを洗い、服も着かえさせました。女性医師を連れていき、診察してもらいました。また女性の弁護士に相談し、州政府に報告してもらいました。

Peru No2その家の大家さんも、家に電気を通すことを約束しました。その近隣にはもう電気が通っていたのですから。神父様は水を引く許可を取り、松葉杖と車いすを持ってきました。教会の信徒の中には、食べ物を持ってきてくれた人もいます。近所の人々も訪問し、彼女たちを手伝うようになりました。しばらくして、アバンカイの施設に彼女たちを入所させ、そこで治療が受けられるようになりました。

この悲惨なケースを巡って興味深いことは、本当に多くの人々が連帯して働くように駆り立てられていったということです。多くの責任を持つ権力者から、貧しい寛大な近所の人々までが、この病人たちが生き延びることができるように、それぞれのできることで、協力し合ったのです。

私たちの村の体験を分かち合いましたが、これはどこのミッションにも共通のことだと思います。回りをよく見渡せば、私たちの近くに苦しむ小さくされた人々がたくさんいらっしゃるのです。私たちだけの力ではなく、周りの善意の人々の協力を願って、共に問題解決に取り組んでいけば、そこには新たな連帯が生まれ、かかわりが広がっていきます。私たちはわずかなことしかできませんが、皆で力を合わせれば大きなことを成し遂げることができることを、苦しむ人々との出会いの中で、学ばせていただきました。

Flor Salazar, fmm