マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本セクター

渡島当別トラピストの十字架

私は先月、渡島当別のトラピスト修道院で黙想する機会に恵まれました。静かな祈りの雰囲気の中でゆっくりとした時を過ごすことができて感謝でした。その中でも特に、大聖堂の十字架に深い感銘を受けました。祭壇の真上に、鳩をイメージした十字架が天井から鎖で吊り下げられていて、その真ん中にはご聖櫃がはめ込まれています。そのご聖櫃の周りには5つの御傷が小さな赤い十字架の形で見えています。さらに、司祭がご聖櫃の扉を開けるときには、十字架ごと、ご聖櫃が手の届くところまでつり下ろされ、扉を閉めると再び吊りあげられます。
しかも、聖堂に差し込んでいた光が薄れて行くにつれて、十字架が青や緑色に光り出します。私はご降誕を思い起こしましたが、それは天地創造の時のイメージだそうです。一つの十字架が見る人に御傷、最後の晩餐と聖体の制定、聖霊降臨など、信仰上大切なことをこんなに豊かなイメージで示すことができているということが、本当に感動でした。大聖堂の内部は撮影禁止だそうで、その映像をご紹介できないのが残念です。この十字架はこれからも私に語りかけ続けてくれそうな気がしています。