マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本セクター

被災した馬も行列に参加

 私たちが住んでいる南相馬市で、7月27・28・29の3日間「相馬野馬追い祭」が開催された。 今年は420騎が行列に参加したのだそうだ。馬に乗った騎士たちが次々と目の前を通るのはとても迫力があった。馬も人も途中で給水ができる。ちょうど私がいたところが給水地点。紙コップに入れた水を馬上の騎士が受け取る。馬は背が高いので、馬の機嫌もあり、馬上の騎士が水をもらうのは結構技がいる。今年の最年少騎士は5歳の男の子。紹介があると盛大な拍手が起こった。騎士たちは皆、左肩に「執行委員長 南相馬市長 桜井勝延」のように大きな「肩書」を付けている。「肩書」ということばの意味が初めて分かった。馬上でホラ貝を吹く人は「螺役(かいやく)」。そして、420頭の馬の中には、大震災の時に津波に流されて顔や脚に傷を負いながら、懸命に泳いで助かったものもいると聞いた。大震災を受けたのは人だけではなかったこともあらためて実感した。1000年もの歴史をもつこの伝統行事が受け継がれている凄さを感じると同時に、この大きな行事を通して、復興への意気込みが拠り合わされて、一層堅固なものになり、前へ前へと推し進めて行く力になれるように、と願った。